【審判の約束と習慣】#29 ゲームコントロールの確認

審判の約束と習慣



ゲームコントロールに必要なルールの正しい適用

審判の任務における高いレベルでの技術”ゲームコントロール”を実現させるためにはいくつかの必要な要素があります。

①的確で統一されたメカニクスで正しいインプットを得ること
②的確なプレーコーリングをコツコツと積み重ねること
③的確なルールの適用を行い、レアケースが起きたとしても正しい処置を行うこと

①については#05~#17、②については#18~#28で見てきました。ここでは的確な処置と円滑なゲームの進め方について確認しましょう。

審判として、ルールブックおよびインタープリテーションに記載されていることは、全て把握しておきたいところですが、いざゲームの中で実際に事が起きたときに、冷静になって正しい処置を行うことは難しいものです。

有効なトレーニングとして、次のような方法があります。
・ルールブック、インタープリレーションの読み込み
・ゲームの映像を多数見ることで、正しい処置を意識に刷り込む(Bank=イメージの蓄積を作る)
・自身が正しい処置を行い、ゲームをスムーズに進めている場面を何度もイメージする

ゲームクロック・ショットクロックの確認

審判は、ゲーム中にコート上で表示されている器具の全てを把握している必要があります。
得点、個人ファウル、チームフォウル等がありますが、重要なものの一つが「ゲームクロック」と「ショットクロック」の管理です。

ゲーム中、両クロックが正しく「動き出したか」、「止められたか」、「リセットされるべき場面でリセットされているか」については常に注意を払いましょう。
基本的なプライマリはトレイルになりますが、他の審判も両クロックには目を向けておきます。

バスケットボールは時間の違いで大きくプレーが変わります。1秒でコートの反対側までボールを進められますし、残り0.2秒と0.3秒では認められるシュートも違います。
表示されているものに常に意識を向けながらゲームを掌握していきましょう。

クルーワーク

クルーワーク①

審判は2人、または3人で一つのチームとしてゲームをコントロールしていきます。
どんなに高いスキルを持つ審判、例えプロの審判であっても、必ずコート上に死角はできてしまうため、一人では審判はできません。

そのため、パートナーと協力して、1人では見えないプレーを2人または3人で協力して見ることで、クルーとして正しい判定に導くことが必要です。

原則としては、プライマリのエリアをプライマリの審判が一番手として判断し続けるのが理想ですが、このようにどうしても死角ができてしまうケースは、パートナーと協力し、クルーで正しい判定を行いましょう。

クルーワーク②

審判はパートナーと協力して、1人では見えないプレーを2人または3人で協力して見ることで、クルーとして正しい判定に導くことが必要です。
特に複数のプレーヤーが関わり、多くの場面で使われる「ピック&ロール」などでは、プライマリ以外の審判からのアシストが必要になります。

2人または3人での協力が必要な場合については、ゲーム前の「プレゲームカンファレンス」で改めて認識の共有をしておきましょう。特に初めてクルーを組むパートナーとはどのように視野を分担していくか確認することで、スムーズなクルーワークにつなげることができます。

「ゲームコントロール」が一番難しく大変だと思いますし、そう教えてもらってきました。何度も何度も繰り返しプレーを見て確認して、反省して再トライする。繰り返し、繰り返しの勉強ですね。

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